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 いよいよ夏本番! でも夏だからこそキリッと着てみたい着物があります。それは濃い色の夏着物。


 淡い色は透け感があまりないけれど、濃い色の着物を着たときは、下がよく透けて見えます。長襦袢の着付けからなにから、細心の注意を払わないとビシっと決まりません。このときばかりは、気楽にステテコで半襦袢、というわけにはいかないのです。


 その緊張感もあってか、黒や濃紺の透け感のある夏着物の方を見かけると、涼しげに感じますし、とても粋だなあ〜と思います。


 今回の妄想コーデでは、透け感があってさらに裏表で模様が違う「紋紗」を選んでみました。


 

紋紗


 紋紗とは紗組織を応用して文様をあらわした織物。選んだのは裏地だけに柄が出るように織り上げられた珍しい紋紗で、微妙なモワレ感や透け感がとても綺麗です。


 裏の赤い縞がうっすらと透けて見えますね。見えるのか、見えんのか、どっちやねん!というこのもどかしさが、セクシーです。


 羽織や塵よけなどにも素敵ですが、サラッとしていて、裾さばきがとてもよいので夏着物にも。


 透け感とモワレのある美しい着物の袖口や裾に、裏の赤がこぼれると、はっと目を引くこと間違いなし。


0723


 


http://bit.ly/1kOjrnB



 裏地は見せて歩くものではありませんが、こういうところに凝っていると、自分の気持ちが浮き立ちます。


 帯は素材感が涼しさを呼ぶ麻。全体的に色数を押さえて、紋紗の透け感勝負です。



20140723


 実際はなかなかこういう、パキっと粋で大人なコーデは似合わないので、憧れなんですね〜。年齢だけ上がっても、大人っぽさとは無縁で悲しいです(;;)


 せめて妄想の中だけでも、オトナな夏着物で。


 妄想は人類に許された特権である!


 こんな着姿の人が、日傘で強い日差しの中歩いてきたら、忘れられなくなりそうです。


 夏着物って、暑いとか汗をかくからとかお手入れがとか言っていたら着られない、贅沢なお洒落。だからこそ、素敵に着こなしている人に心底憧れます。夏着物こそ、着物のお洒落の醍醐味かもしれません。


 気軽に浴衣もいいけれど、たまには気の抜けない夏着物にもチャレンジするのもまた気分が上がってオススメです!