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 いきなり初夏のようになり、単衣に手が伸びる今日このごろ。GWは皆様いかがお過ごしでしょうか?

 5月2日からコレド室町で「わーと日本橋」というイベントが開催されています。もうおでかけになった方もいらっしゃるかもしれません。和×Artなので着物だけではないのですが、和が楽しく身近に感じられるイベントとなっています。竹のあかりのオブジェや空中茶室、宝塚をどりの衣装展示などの他に、「きものコーディネートの森」があります。
 なんと200点近いコーディネートがトルソー展示で一気に見られる企画です! メーカーや小売店だけでなく、きものを愛するいろんな人たちが、イチオシコーデを出品しています。

 今回わにこはコーディネートは出品していないのですが、このコーディネートのトルソー着付スタッフとしてお手伝いに入りました。

 2日間に渡って、朝から晩まで黙々とトルソーに着付ける人々。トルソーへの着付は展示用の場合、帯結びもちょっと特殊で、なるべく痛めないように着装していきます。終わった時の達成感はすごかったですが、もう手首も指も頭も使いすぎて限界でした。なにもかもがパンパン(笑)。

 出品者さんから着物と帯ほか着付小物までセットにして送っていただくのですが、「帯枕がありません!」「衿芯がありません!」などというトラブルは当然あり。

 帯枕はプチプチで形を作って。衿芯はコピー用紙をナナメに折り畳んで長くし、見える場所だけでも固くする、などなどあるもので対応していきます。

 帯揚の模様はココ出して!のような指定もあり四苦八苦。帯も、どこを見えるように出すか、など着付って本当に本当にセンスが問われる作業なんですね。体力だけでなく、なけなしの知恵と気力を振り絞って頑張りました。

 そしてトルソーはいわゆる和装用のふかふか寸胴二本足なで肩の子ではなく、バリバリ洋装用でツルツルの子たち。ぷちぷちで簡単に補正して着付けるのですが、滑る! そしてスタイルがよすぎて泣かされる! そしてどんどんやらないと間にあわない!

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 このナイスバティ達との死闘が繰り広げられました(笑)

 一緒に着付けているのは本当に「先生」がたばかりで、もうもう、それはそれは美しく、早く着せ付けていかれます!! 仮絵羽やモデル仕立て(反物を着物の形に仮縫いしてあるもの)をどんどん美しく着せ付けていかれます。仮絵羽のものなどは衿のところを特別なやり方で留めて行きます。鮮やかなお手並みに、感嘆の声しか出ませんでした。

 振袖やお引きなども美しく着せつけられていき、本当はずっと見学していたいくらいなのですが、自分も微力ながらお手伝いせねばならないので、なかなかそんな余裕もなく。任せていただいたものに全力投球! でもう本当になにもかもを使い果たした二日間でした。

 そして同時に、未熟さを激しく痛感(><) 担当させていただいた出展者の皆様に菓子折りをもって頭を下げに行きたい気分です。今回、着付した人の名前もわかるような展示になっているので、私の名前を見かけたら「これか‥‥」とご覧になってくださいませ。担当したコーディネートはどれも本当に素敵でした。

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「これを見て欲しい」という気持ちで選ばれたコーディネートですから、見ている方にもそれが伝わってきます。コーディネート一式が詰め込まれた箱からはいろんな想いが飛び出して来て、それを伝えるお手伝いをさせていただいているんだという気持ちになりました。

 そしてマネキンがズラリと並んだ姿は圧巻!! 展示は四季にわかれています。特に夏が充実しているので、これからのコーディネートの参考になります。

 普段、着物を着ている人に会っても、よっぽど親しくないかぎり、上から下まで後ろから前からじろじろ見る訳にはいきませんが、トルソーちゃんなら大丈夫! 心ゆくまで眺められます(笑) 写真や、衣桁にかけてある状態よりも、ずっとずっとその着物「らしさ」がよくわかります。

 そして動かないトルソーに簡易なプチプチ梱包材の補正だけで、美しく布を纏わせる。「着付」というお仕事の奥の深さ、専門性を目の当たりにしました。そのあたりも、ぜひご注目ください!

 このゴールデンウィーク後半戦、日本橋へきものコーディネートの森に迷い込みにいってみませんか。一人でお気に入りハンティングにでかけても、友達とわいわいおしゃべりしながら見ても、きっと新しい発見があるはずですよ! 

 

http://wa-art.net/