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 大型連休はいかがお過ごしでしたでしょうか? あれもやろう、これもやらねばと思っていたのに、あっという間に終わってしまったような……。でも、今年はずっとやりたかったことをしてみました! それはゴールデンウイークきもの旅行。
 
 長野県須坂市のクラシック美術館では、毎年ゴールデンウィークに所蔵の銘仙が公開される春の虫干しイベントが行われています。キモトモが皆でおでかけしているのをずっと指をくわえてみておりましたが、今年は「信州着物デー」として、5月4日に須坂クラシック美術館虫干しに加えて着物フリーマーケット、そして善光寺で着物姿で牛にひかれて歩ける(えっ?)盛り沢山なイベントが開催されると聞き、子どもも大きくなってきたし……と、思い切って行ってみることに!

 そして、せっかく行くのならと、大河ドラマ「真田丸」で話題の上田市も訪ねてみようと、キモトモと、信州上田〜須坂〜善光寺1泊2日のオトナの着物旅へどーんとでかけてしまいました!

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 朝は東京駅始発だし、並べばいいでしょなんて指定もとらずに行き当たりばったりの呑気な考えで金沢行きの北陸新幹線のホームに向かうとそこには溢れ変える人、人、人! 乗る予定の新幹線が入るホームにも近づけず、どこに並べばいいかもわからない状態。上田まで1時間ちょっと、いきなりすし詰めの新幹線で立って乗っていく羽目に(汗)。すみませんゴールデンウイークをなめていました。ごめんなさい!

 人の乗り降りが激しくて、新幹線遅れながらも無事1時間ちょっとで上田に到着。同行のキモトモと、長野在住のキモトモと無事合流できました。上田は、どこもかしこも六文銭と赤備え。真田丸で盛り上がっています! 私も今年はとても楽しみに大河ドラマを見ているので(鎧兜と草刈正雄とか草刈正雄とかを)へこたれかけた気持ちが一気にアップ!(単純)歩いて上田城に向かいます。

 まずは真田藩主居城跡の門がそのまま残されてる県立上田高校の校門を見学。歴史を感じる町並みを歩きつつ、いよいよ上田城へ。まずは大河ドラマ館へ向かうと、なんとこれまた人、人、人!! 入場券を買うまでに1時間以上並ぶ勢いです(><)さすがゴールデンウィーク、さすが真田丸人気!

 駅で入場券を購入しておいてくれたキモトモのおかげで、入場待ちの列に30分ほど並んで無事中に。一人でじっと立ってた新幹線と違って、おしゃべりしながら並ぶのは楽しかったです(笑)。上田城址の真田石、真田井戸、櫓から河岸段丘を眺めて、上田城が落ちたことがないので「落ちない」縁起で有名な真田神社にこれまた初詣級に並んで御詣り。限定御朱印もしっかりゲット。

 上田市民のソウルフード、福昇亭の五目あんかけやきそばをこれまた並んで食し、子どもの頃大好きだったみすず飴の飯島商店本店でみすず飴をゲット。上田はすっかり大河テーマパークの様相で、上田出身のキモトモが「こんなに上田に人がいるなんて!」とびっくりしていましたよ。

 そして、キモノ的上田観光ハイライトとして、上田紬の工房見学へ。車で移動することしばし、小岩井紬工房さんに到着。いち利モールでも紹介されている工房で、若いご主人が出迎えてくださいました。

http://ichiri-mall.jp/koubou/list/koubou30.php

 上田紬は、大島、結城と並んで三大紬のひとつとして江戸時代から愛され、その発祥はやはり真田氏に繋がります。上田城を築いたときに真田昌幸がはじめた真田織が元となり、江戸時代に仙石氏が発展させて「三裏縞(三回裏を取り替えて仕立て直せるほど丈夫な縞の紬)」といわれるほどの丈夫さと飽きのこない縞模様で人々に愛用されてきました。縞や格子が特徴の手織りの紬は、経糸が光沢のある生糸で、緯糸が真綿から紡いだ紬糸。ほどよい光沢と素朴な風合いが魅力です。

 小岩井紬工房では、上田の名産「林檎」を使って染めた糸での製作もされています。なんとも言えない優しくふわっとした黄色で、淡い100%林檎ジュースのような色。ほんのり爽やかな香りが漂ってきそうです。林檎色林檎の品種によって染まる色も違い、同じ黄色でもたとえばフジはオレンジっぽくなり、シナノゴールドは黄色味が強くなるそう。草木染めは手もかかるし大変ですが、こだわって染めているそうです。

 また手織りにもこだわって、工房には機が並んでおり、平日は織り子さんたちが機音を響かせています。中に不思議な太い糸がかかっている機があり、なにかと思ったらなんと、精密機械工場の設備で使われる素材を銅線で織っているのだとか。とても力が必要で手織りでしかできないそう。意外なところで先端技術とも関わっていてびっくりです。

 不定期ですが、土日には「織の休日倶楽部」として機をお借りして、一日でストールを織り上げる体験もできるそうですよ。普通1日でできる織体験というと、コースターとか敷物が定番。その後の処遇に意外と困る(笑)のですが、なんとストールができるなんて! これはやってみたいかも〜〜!

 また、ワイナリーの依頼をうけて製作中という「葡萄染」の糸も見せていただきました。シャンパンゴールドの糸、キレイでしたよ〜! 草木染の淡い色、その優しい風合いがとても素敵でした。

 ギャラリーで拝見したパッキリとした濃い色で格子のものなどもまた素敵で、また欲しいものリストが増えてしまったわにこです。あー着物沼は果てしないわ〜。ないわ〜。ないわ〜(木霊)。

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 魅惑の反物、帯の他にも織で作ったという、真田紐風の帯締めなども見せていただいたり、赤備えの上田紬の扇子や小物にキャーキャーしたり、伝統を守りつつ新しい事にも挑戦していこう!というご主人の気概やお話、とても楽しく拝聴させていただきました。工房見学は予約不要だそうなので、上田にいかれたらぜひ見学されてみてはいかがでしょうか。

 大満足で、善光寺に移動。宿泊は昨年の京都への旅で味をしめた(笑)宿坊にしました。母の供養もお願いしたくてお朝事にも参加することに。長野きもの旅、まだまだ続きます!(来週につづく。えっ!)

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<今回のコーディネート>
 1泊2日ということで、着物と帯は同じで、帯締・帯揚だけでどこまで印象が変わるかにチャレンジ! 帯は上田城に行くし、端午の節句も近いということで縅毛の紋様のものをチョイス。2日目が雨予報だったので着物は洗えるむじな菊の江戸小紋風にしました。写真では色が変わって見えますが同じです。
 1日目は甲冑風!?真田丸気分の赤備えで。テンションがあがります! どんどーん!
 2日目は善光寺参りがメインなので、紫で。上に薄物の道中着を着ればお寺っぽい!?
 結構、帯締・帯揚だけでも気分が変わることが判明しました。
いつか上田紬で里帰り旅行行ってみたいですね〜\(^O^)

写真提供:渡部瑞穂(昭和な家)