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 夏至も過ぎ、もうすぐ夏本番ですね。すでに東京でも真夏日があったり、一体何を着ればいいのかと迷ってしまいます。セールもはじまったし、今からお仕立てしたら夏に間にあうかも? なんてついつい妄想してしまう今日このごろです(^^;) 

 さて、夏に一番涼しい素材の着物は一体なんでしょうか。まあ、どれも暑いといえば暑いんですが、やはり涼しい組み合わせというと、麻の襦袢に麻の着物ではないでしょうか。

 麻特有の張りのある生地が、身体に布が密着することなく空気を通して、爽やかな着心地をもたらしてくれます。

 麻は熱伝導性がよく、吸水・発散性に優れていて天然素材の中で最も涼しく感じる素材と言われています。そしてなにより、自分でお洗濯ができるのがポイントが高い!

 夏はとにかく汗をかきますから、ざっと洗えてすぐに乾いてくれる麻は強い味方。その速乾性たるや、天気のいい日は洗って23時間で乾いてしまうほど。

 ちょっとお恥ずかしいお話ですが、実家のタンスの肥やしとなっていた麻の襦袢に黄ばみが出てしまっていたのですが、洗えるものだし、と思い切って漂白剤につけて洗ったら、あら〜これが綺麗になりました! サッパリして夏に活躍してくれています。

 あとは、自分で小千谷縮の古着をダイロン染めしてしまったことも。本当に、麻って、丈夫ですごい素材です。(漂白や染めなどの荒技はあくまで自己責任でお願いします(^^;))

 麻の着物には平織の「上布」とシボのある「縮」があります。上布は南の宮古上布、八重山上布、北の能登上布、越後上布など、全国にあります。縮は、シボ加工を施したもので小千谷縮や近江縮が有名ですね。

 今回は、そのシボのある近江縮で妄想コーデしてみましたー。シボがあることでより空気をはらんで涼感が増します。この場合、襦袢はもちろん麻で。麻の襦袢は、上が柔らか物だと張りがありすぎて沿いが悪い場合がありますが、襦袢の中では一番涼しいという声をよく聞きますし、私もそう思います。

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 近江は今の滋賀県。琵琶湖のほとりの湿気が麻をつむぐのに最適で、麻の産地として発展してきました。その琵琶湖の水をイメージして、水玉の帯と帯揚を。半衿も、水色の麻素材にしてみました。

 濃いめの緑はちょっと珍しくて、オシャレですね。


 このように、夏にはいいことづくめの麻なんですが、欠点があるとすれば………。ちょっとシワになりやすいことと、張りがあるので身体が膨らんで見える(平たく言うと、太って見える)ということ‥‥‥(涙)

 でもシワは「麻だなあ」という風情でもありますのでそれはいいとして、膨らむ方(爆)は、特に淡色のものなど着ると「うっわ!」と驚くほどの膨張が(汗)。そんなわけで、買うなら濃い目の色のものが欲しいなあと思っております。

 痩せれば、そんな悩みもなくなるのでは、というのはもう言わないでおいてやっていただきたく‥‥(涙)。せめてもの、着やせ願望でございます。

 真夏日に、麻の襦袢、麻の着物に朝の日傘なんかで、サラっと涼しい顔で過ごしてみたい。本当は暑くても(笑)、周りの人に涼しさを感じてもらえたら夏着物冥利ですね! 夏本番前に、夏着物妄想コーデでした。