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 三月は卒業式シーズン。袴姿もちらほら見かけます。最近は振袖に袴、という組み合わせが多いようで、袴もぼかしが入っていたり刺繍があったりと華やかさが一層アップしている気がします。

 昨日もキモトモにお嬢さんの袴のコーディネートを見せてもらったのですが、成人式の振袖に、美しい刺繍の花びらが散ったぼかしの袴、マルチカラーの半幅帯にたまご色の伊達衿‥‥母の愛が詰まったコーデ、見ているだけで胸がキュ〜ン!としちゃいました。

 一方色無地に無地の袴をきりっと着こなしている先生と思しき女性もまた、きりっとしていて素敵です。袴は実に動きやすいですし、もっと普段も着る女性が増えてもいいのではないかなと思います。

 とても活動的な袴姿なのですが、普段と同じように動いていると裾を汚してしまったり、後ろがだんだん下がってきてしまったりすることがあります。そうならないように、注意したい動作のポイントをご紹介しますね!

(1)椅子に座る時は後ろをふわっと持ち上げて

 つい、プリーツスカートのように、ヒダが乱れないよう後ろを撫でてひっぱって腰掛けてしまいそうになりますが、実はこうすると後ろがピーンとヒップの重さで引っ張られ、帯の上に乗っている袴の後ろの紐が下がってしまうことがあるのです。そうすると結び目がゆるんだり、下がってしまうことに。

 座る時には、袴のスリットから両手を入れて袴の後ろを少し持ち上げて座ってください。こうすることで、後がひっぱられて落ちるようなことはありません。

 車に乗る時は、振袖などと同じようにおしりから腰掛けて乗るようにしますが、そのときにも同じようにスリットから両手を入れて、袴の後側を持ち上げてふんわりさせてから乗ってください。車に乗る場合は深く座ることになりますから、椅子に腰掛けるよりもぐっと多めに持ち上げます。

 これで、袴が下がってしまったり、後の帯の上のふんわりしたふくらみがつぶれてしまったり、ということが防げます。

 もうひとつ、長めのお袖の方は袖が床につかないように、膝の上にクロスするように置いてくださいね。

(2)階段の上り下り

 ブーツなどで、袴を短めに履いている場合でも、意外と階段の上り下りのときには裾を擦って汚してしまうことが。

 そうならないためには、やはりスリットから両手(荷物を持っているときは片手でもいいです)を入れて、

階段を降りるときには後側を
階段をのぼる時には前側を

ふわっと持ち上げるだけで裾の汚れが防げます。袖が長い場合は、袖を片手にまとめてかけて、踏んだり擦ったりしないようにすることも忘れないでください(やることいっぱいですね(笑))

 着物は裾を直接持って階段の上り下りをしますが、袴の場合はヒダがたくさんあって1カ所を持っただけではうまく全体を持ち上げることができません。それで、スリットに手を入れて内側から持ち上げるとうまく持ち上げる事ができるのです。ぜひお試し下さいね!

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(3)トイレにいくとき

 これも振袖などのときと同じですが、袴はスカートのようになっています。ロングスカートと同じと考えて扱って下さい。スカートと違うのは着物を下に着ていますので、まず、袖を帯などに挟んで下につかないようにしてから、袴>着物>襦袢>下着 という順で、一度に持ち上げるのではなく1枚1枚めくってたくしあげればOK。

 トイレが済んだら、下着>襦袢>着物>袴 の順でくしゃくしゃにならないよう丁寧に下ろして行きます。

 袴はブーツでもいいですし、歩き方はそんなに気にする必要はありませんが、立ち座りと階段だけ、気をつけてみてください。

 いずれにしても乱暴にワワッ!と動いたりすると着崩れたり、汚してしまったりしますので、ちょっと余裕を持って動いてくださいね。

 これであなたも袴マスター! 

 ご卒業の方も、見送られる方も、素敵な1日になりますようにと思う、春なのでした。


<御礼>前回、片付けの記事でチャリティへの寄付のご紹介をしたところ、全国からたくさんのご寄付をお寄せ頂きました。

中にはお手紙を入れて下さった方も。皆様に厚く御礼申し上げます。箱をあけて整理しながら、1枚1枚に暖かい思いがこもっているようで、胸が熱くなりました。本当に有難うございました。チャリティは今週末金曜日からになります。購入して下さる方がいてチャリティになりますので、もしよかったらイベントにもお越し下さいませ。わにこも三日間会場でお待ちしております!(金曜の18時半以降のみ不在です)
 どうぞよろしくお願いいたします。