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笑いってすごい!狂言のワークショップに参加☆の巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 11月15日、和gaku庵さん主催の狂言ワークショップ『古今あるある人間ものがたり「狂言」』に参加してきました。

 今まで能を観に行って間狂言を見る、くらいの意識しかなかったのですが、今回は「狂言」について学べる、しかも夢の檜舞台に上がって実際に体験できるということでとても楽しみにして伺いました。

 能は歴史上の人物や霊などの物語が多く、謡と舞で表現されオペラのようなもの。一方狂言は、名もなき庶民、一般市民の生活や生きている人たちを表現した喜劇。動物や鬼などの役以外は面を付けずに演じます。昔から変わらない、どこか憎めない滑稽な人物たちの様子が笑いを誘います。

「お客様にたくさん笑ってもらえると、演者のほうものっていくので、ぜひ狂言は構えずに、笑ってお楽しみ下さい」と、和泉流・六世 野村万之丞先生。万之丞先生はなんとまだ20歳。お話や説明もとてもお上手でわかりやすい上に爽やかなイケメンなんですよ! 袴姿も凛々しくて、本当に素敵でした。

 そして実際に能舞台に白足袋を着用して上がらせていただき、簡単な所作や台詞を言ってみる、というのですが、まず構えて上半身を動かさずに歩くという基本の動作だけでも体がプルプル。次に先生の声量にびっくり! あたりまえですが、いざ自分も真似してみようと思っても全然声が出てません!

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 それでも二人一組で、主人と太郎冠者(たろうかじゃ)をやったり、お酒をついで飲む動作を扇を使ってやってみたり、のこぎりで垣根を切る動作をやってみたり。

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写真:和gaku庵

 泣いたり、笑ったり、おもいっきり大きな動作で大きな声を出す体験はとても楽しかったです。参加者の皆さんも、それぞれとても楽しんでいらして、笑顔がいっぱいの楽しいワークショップでした。

 他にも貴重な面や装束も見せていただきました。狂言の装束の基本は縞熨斗目(しまのしめ=チェックの模様)の着附(きつけ)、肩衣(かたぎぬ)、半袴、腰帯で、それぞれの役に応じて色などは自由に組み合わせてよいのだそう。大正時代に作られたという装束も美しく華やかでうっとり。

 洗ったりはしないものなので、汗取りの肌着の上に胴衣(どうぎ)という羽二重に綿をはさんだ汗取りをさらに着て、その上に装束をつけるそう。ウエストの補整をする場合もあるとか。補整とか汗取りとか、興味しんしんでいろいろ質問してしまいました(^^;)すみません。

 七月の終わりには装束や面などを3日間かけて虫干しし、繕ったりして手入れをし、大切に受け継いでいくのだそうです。650年前の室町時代に生まれた演劇が、そのまま残り、今でも当時と同じように人々を笑わせ、幸せな気持ちにしてくれるというのは、受け継いできた方たちのたゆまぬ努力の賜物なのですね。今までとはまたちょっと別の気持ちで、狂言を鑑賞することができそうです。ありがとうございました!

 和gaku庵では、日本の文化を学び楽しむ講座やお稽古がいろいろあります。日本の伝統文化を覗いてみると、着物に対する理解や面白さもぐっと深まる気がします。皆様も機会があったら、体験されてみてはいかがでしょうか?

ほっこり結城紬で癒しのチョコレート妄想コーデ☆の巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 秋も深まり、紅葉がきれいですね。木々や足元の落ち葉を見ながら、きれいな色を探したり焚き火で焼き芋を想像したり‥‥(笑)

 今月の妄想コーデは、そんな秋の日にテラス席で飲みたいホットチョコレートをイメージしてみました。肩にふわっと気軽にショールでちょっとお散歩もいいですね(妄想)。

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 ミルクチョコレート色の真綿結城紬は、ほっこりと体を包んでくれて、暖かい飲物のように体を温めてくれそうです。帯締めは松笠苧環が帯留のようについた季節にピッタリのもの。帯も結城紬で。帯揚はモノトーンでちょっとビターに。半衿も秋のレース。素材感もほっこりしたもので統一してみました。

 なんだか疲れたときやイライラっとしたときは、チョコレートがほしくなりませんか? これはチョコレートの原料のカカオ豆に含まれるテオブロミンとポリフェノールに、リラックスをもたらし緊張を和らげてくれる働きがあるため。色を纏っているだけでも、なんだかリラックスできそうな気がしてきました(単純)。色だけでなく、絹の素材感や肌触りも心を癒してくれますよね。

 イライラしたり、気分が落ちてしまったりしたときは、お布団の中で休むのもいいけど、お気に入りの着物で、おでかけするのもいいのかも。

 着物を着始めたばかりのころ、いつもキリっと着物を着ていらっしゃる先生に、毎日お着物って大変じゃないですかと伺ったら「朝起きたときはもう年なのか、ほんとうにぐったりしているのよ、だけど着物を着て行くうちに体がしゃっきりしてくるの。元気がでるのよ。洋服だとこうはいかないわ」とおっしゃっていました。このごろ、その言葉の意味がわかるような気がしています。

 秋はちょっと気分もおセンチになりがち。お気に入りのコーデで(妄想可)癒されてリラックス&元気にいきたいですね。

「はいからさんが通る」展へ袴でGO!の巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 芸術の秋!というわけで(?)ただいま弥生美術館で開催中の「はいからさんが通る」 展 ~大正♡乙女らいふ×大和和紀ワールド!~に行ってまいりました。

「はいからさんが通る」は70年代の少女漫画ですが、その後何度もアニメやドラマ、舞台や映画化されているので御存知の方も多いかと思います。

 大正時代、「ハイカラさん」と呼ばれる袴姿の女学生たちは、時代の先端をいく存在でした。そんな女学生のひとり、紅緒はなかでも活動的ではねっかえり。そんな紅緒が恋をしたのが、婚約者の伊集院少尉。しかし、少尉は戦争で帰らぬ人となり‥‥波瀾万丈のストーリー、子どもの頃ドキドキで読んだものです。

 大人になってすっかり忘れていましたが、袴とリボンが大好きなキモトモが「弥生美術館の『はいからさんが通る』展、袴をはいていくと100円引きになるらしいよ!コラムのネタになるんじゃない? 一緒に行かない?」と誘ってくれました。

 二人で行ってもいいけれど、どうせなら皆を誘ってみよう!ということでキモトモたちに声をかけたところ、なんと7名の袴女子プラス洋装1名が集まりました!! はいからさん人気高し!!

 せっかくなので、と根津の老舗『はん亭』のランチを予約。大正初期に建てられたというお店の建物はとても趣があって、はいからさん気分が盛り上がります!

 串揚げのコースに舌鼓を打って、お腹も満足したところで坂を上って弥生美術館へ。アラフィフの袴集団はちょっと、いいえかなり注目を集めていたかも‥‥。しかし、赤信号みんなでわたれば怖くない(古)。恥ずかしいかなと思っていましたが、全然平気でした(笑) 長羽織を着ていると、意外と袴姿は目立たないです。まあロングスカートみたいなものですしね‥‥(違)。とにかく動きやすくて楽です。

 そして、チケット売場で袴着用でご来館の方は「ハイカラさん割引」!ということで100円引き(他割引と併用不可)+大正乙女しおりをいたただきましたよ〜!

 入口には、紅緒さんと少尉の等身大(?)立て看板のある記念撮影コーナーが! 嬉々として写真を撮ってもらったのですが、あとで見てみて,少女漫画の登場人物と自分とのあまりの頭身差にびっくり(笑)少尉、足なっが〜い!

 前期・中期・後期で展示替えがあるそうなのですが、この撮影コーナー、男性が前期は少尉、中期は狼さん、後期は編集長に変わるそうです。編集長派のわたしとしては、もう一度来るしかない!? 

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 肝心の展示は、狭い館内だしさくっと見終わるかな‥‥と思ったら、いやいや。見覚えのある懐かしのマンガ原稿、憧れたカラーピンナップ、あれもこれも、キャー!! キモトモたちも同じ気持ちだったのか、もう全員食い入るように見入っておりました。

 はいからさんだけでなく、ヨコハマ物語やあさきゆめみしなどなどの原画、カラー原稿の美しさにもう、うっとり。大和和紀ワールドに浸っているうちに、あっという間に時間が過ぎてびっくり! また、実際の女学生スタイルの着物や袴、資料なども展示されていて見応えがありました。

 最終回のあらすじを見て、あらためて編集長の不憫さに涙するツメ子、いえわにこ。番外編があってよかったねーなんてマニアな会話を交わせる喜び(笑)。はいからさん、も一度全部読み直したいな〜。往年の少女マンガパワーに胸アツでした!

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 写真オッケーなキモトモと記念撮影させてもらいました! 皆様それぞれ素敵でしょ? わにこは髪の毛のカットを失敗し(涙)帽子姿です。袴楽しい!!

「はいからさんが通る」展は12月24日まで。もう前期は終わってしまいましたが、まだまだ開催されております。はいからさんファンは必見! ぜひ!袴で御覧になってくださいませ。気分もさらに盛り上がること間違いなしですですよ〜。

腰にクッション☆着物で長時間椅子に座っても疲れないゾの巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 台風が次々とやってきて気持ちが休まりませんが、被害が出ないよう祈りつつ、雨でもがしがし着物ででかけているわにこです。

 台風はともかく、雨の日も装備さえしっかりすれば着物で外出も怖くありません。なんともう4年も前(えええ)に書いた記事ですが、参考にしていただけたら幸いです。


 この装備に、さらに大雨とか、寒い時期には撥水加工のモンペをはくという技も加わりました。今、めちゃ気になっているのは、撥水加工の足袋カバーです。ビショビショの足袋を履き替えるより、撥水加工の足袋カバーをするほうがスマートですね。

 さて、例によって雨の中、観劇の予定があり‥‥どうしようかと思ったのですが、せっかくなので頑張って着物で行きました! 結構本降りだったので、洗える着物に洗える羽織、アイロンをかけた雨コートに雨草履で完全装備。

 シアタークリエで上演中の「土佐堀川」という作品で、NHKの朝ドラ「あさがきた」の原作です。高畑淳子さん主演で、テレビよりたぶんずっと事実に近いビジュアルで(笑)、広岡浅子氏の一生を舞台化。もの凄いバイタリティで、次から次へと起こる困難も乗り越え、嫁ぎ先の加賀屋の家業を炭坑経営などで建直し、日本初の女子大を設立、生命保険会社も軌道にのせ‥‥。

 いやいや、人間負けとったらあかんでー!!という気持ちにさせられる、元気がでる舞台でした。

 席につくと、劇場のスタッフさんが「お着物なので‥‥腰にクッションにお使いになりますか?」と膝掛けを渡してくださいました。お帰りの際は座席に置いたままで結構です、とのこと。私はこのサービスは初めてだったので、おお、こんなサービスがあるんだ、とありがたくお借りして試してみました。

 まるめて腰にあたる部分にあててみると、椅子にもたれたとき、帯枕が邪魔をして猫背になりがちなのを腰で支えてくれるので、ラクちん!

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 本来は着物の時、帯が椅子の背にあたらないように座った方がいいのでしょうが、劇場でそれは嫌われます。なぜなら、背筋をのばして前のめりに観劇していると後ろのお客様が見づらいから。

 帯枕をやわらかいタイプの空芯才にしてからもたれるのは嫌じゃなくなったのですが、乗り物ではシートリクライニングで少し倒すとこの猫背問題は解決されるものの、リクライニングのない椅子で3時間近い観劇時間‥‥やはりちょっと腰が疲れます。これは目からウロコの発見でした。同行の友人は、半巾帯でペタンコだからいらないわ、と断っていましたが、お太鼓の人にはとてもいいサービスだなあと思いました。

 長時間椅子に座るようなとき、自分でも、ちょっと腰にあてるクッションや膝掛けを持参するといいのかも!

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 ちょっと嬉しいサービスで、新たな発見!でした。シアタークリエさん、ありがとうございました。

キモノEXPO2017いってきました☆秋はきものイベント目白押しの巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 皆様お元気ですか! 先週真夏日だったのに、いきなり寒い!!本当に体がついていきません。単衣はしまいこみました。こたつも出しました。わにこです。

 これから着物が楽しい袷シーズン。着物イベント目白押しで、毎週どこにいこうか迷っちゃいますよね。わたしも、お仕事だったり、DMとにらめっこしたり、はしごの予定をたてたり、スケジュール管理に四苦八苦です(笑)。

 さて東京は秋の長雨の合間の晴れとなった昨日、いち利モールも出展しているキモノEXPOにお邪魔してきました。

 入口では簡単なアンケートに答えて、来場記念に着付クリップ2コセットいただきました。可愛いオリジナルデザインで、いくつあっても嬉しい着付クリップ。これは嬉しいかも♡

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 中に入ると迷路のように、いろんなブースを通り抜けていきます。いち利モールの気になるアイテムの実物が見られるコーナーもあり、気になっていたミヤコレをチェック! ハロウィンの半衿や帯留が人気だそう。

 着物の工房や作家さんも来場されていて、茶話会でじっくり作り手のお話が直接聞けます。お手入れクリニックでは、リメイクなども含めて相談できます。その場ですげてもらえる岩佐草履さんの履物コーナーも。キュートな厚底草履が気になるっ! 和装インナーのたかはしきもの工房では男子禁制の奥の間(笑)で、じっくり試着と相談もできますよ〜。お買い得な帯締め帯揚げセッとのコーナーではとりあわせで悩んでいるお客様がいっぱい。わかりますー!!!

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 去年も大人気だったワークショップ体験講座を覗くと、すごい熱気! わたしが伺ったときは、ビーズ三分紐とミルフィオリ帯留、水引細工のかんざしのワークショップが行われていました。

 ビーズ三分紐は初めて見ましたが、とても繊細でキレイでした。それから、一度やってみたいミルフィオリ帯留。イタリアのガラス工芸ですが、帯留にすると本当に素敵。結んで組んでいくと立体的な美しい飾りになる水引細工も、選ぶ色で全然違ってこれまたみんな違ってみんないい!と、皆さんの作られている作品を見ながら目移り(笑)。

 こういう手作業って、無心に手を動かすと癒されるんですよね〜。一人だと投げ出してしまいそうなのも、先生に聞きながら、皆でやるとやり遂げられる不思議。

 今回、私は時間がなくてワークショップに参加できなかったのが心残りです。予約制ですが、まだ空きがあれば参加可能だそうですので気になったら問い合わせてくださいね。

 銀座いち利の女将もいらっしゃったので一緒に写真撮っていただきました♪

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 コラム読んでます!って声をかけてくださったお客様とお写真撮らせていただいたりもして、嬉しかったです♡

 この日のコーデは、型染めの紬と板締め絞りの帯。いろんな方に、素敵ですねってお世辞でも声をかけてもらえると嬉しいものです。着物イベントにいくと、着物好き同士、ステキポイントを褒め合えるのも楽しみのひとつです。

 お店の方や来場されている方のコーディネートを見るのも勉強になります。もー!欲しいものが増える一方で困っちゃうんですけど!(怒るなよ)

 キモノEXPOは東京は23日(月)まで銀座で。大阪は25日(水)〜29日(日)まで心斎橋で開催されています。いち利モールサイトにも詳しく載っていますので、気になるものをチェックしておでかけくださいませ〜。あーワークショップ参加したかった!(まだ言ってる(笑))

 今回写真のみのレポートで失礼します! わにこでした\(^O^)/ 

憧れの山葡萄のかごバッグ☆ナデナデして育成するゾの巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 皆様お元気ですか! 10月なのに真夏日とか、本当に体がついていかなくて見事に風邪をひきこんだわにこです。まだまだ単衣は仕舞い込めませんね。

 さて、先日実家に帰省した折、山葡萄のかごバッグを見かけて一目ボレ。しかもとってもお得になってます。ずっと欲しかったアイテム、欲しい!と思ったものの‥‥

 私が知ってる皆さんがお持ちの山葡萄のバッグに比べるとなんだか白ちゃけていて、ピンピンヒゲが飛び出していてこれどうなの!?

 それはそれは素敵な飴色の山葡萄のバッグの持ち主に聞いてみると「最初はそうなのよ!」とのこと。お手入れは、タオルなどのやわらかい布で拭いて磨いてあげること、そしてひたすら手でなで回すこと!「こんな色になるのには何年もかかっているのよ〜」。

 山葡萄の蔓で編んで作る籠は、もともと山仕事の道具入れに使われていた丈夫なもの。10年20年と使い込んで、育てていくんだそうです。また壊れたりしても、修理して長く使えるそう。

 もう私もいい年なんで、早くしないと使い込む機会も失ってしまうかも(笑)(いやあまり笑い事でなく) というわけで、えいっ!と購入してしまいました。ちょっと早い自分の誕生日プレゼントです。

 持ち帰って早速、タオルでゴシゴシ。これでササくれていたヒゲが少し収まった? 手でなでまわして、というので、手のひらでナデナデ‥‥とするとあれっ!! ちょっと撫でただけなのに、なんだかツヤが。

 嬉しくなってナデナデナデ‥‥‥。飛び出しているヒゲは決してひっぱって抜いてはいけないとのことで、ライターなどであぶって焼ききるといいとのこと。そ、そんな怖いこと! と思いましたが、試しにヒゲにライターの炎を当ててみると、見事に飛び出している部分だけチリッと焼けてなくなります。面白くて次々とヒゲをチリチリ焼いてしまいました。

 そうするとかなり見た目もスッキリして、さっき買ってきた籠バッグと同じとは思えないくらい、ツヤっとしてスッキリ。あらこれはなんと手入れのしがいがあること!

 あとはひたすらナデナデするのと、仕舞い込まないで風通しのいいところに置いておき、普段もばんばん使うとよいとのこと。(猫の爪とぎにされないよう気をつけなければ!)

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 和装バッグの代名詞のように思っていましたが、実は最初のころはささくれがあるので、着物を痛めてしまうかもしれないので、落ち着くまではジーンズなどの普段着のときにガンガン使うといいわよ、と言われました。

 なんだか、結城紬の有名なエピソード、おろしたてはゴワゴワするので女中さんに着せた‥‥みたいなお話ですね(笑)。

 ブラシと油で手入れする方法もありますが賛否両論あるようで、まずは先達の教え通り、手でナデナデして育成してみたいと思います。

 今は和装だけじゃなく、ナチュラル系のファッションが好きな人にも「育てるバッグ」として人気があるそう。雑に使って古くなってダメになるんじゃなくて、丁寧に使い込んで味が出る、ってなんかいいですよね。自分もそんな人間になりたいなあ。

 山葡萄のカゴバッグと一緒に成長していけたらいいなあと思う、人生折り返し地点でございました。

アイロンで雨コートのはっ水効果を復活させる!の巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 皆様雨コートのお手入れはどうされていますか? 私が持っているものはポリエステル製なのでたま〜に汚れてきたなと思ったらザブザブと洗う程度。

 はっ水加工について特に意識したことはなかったのですが、雨の日に出かけた時、キモトモの持ち運びのときにシワになってしまった雨コートを見たお店の方が、「はっ水加工は、熱を加えると復活するからアイロンをかけたりドライヤーをかけたりするとよい」と教えてくれたのです。

 早速家に帰って自分も試してみると‥‥あらー。すぐに水がじんわりしみていたのに、アイロンをかけると、水をかけてもコロコロ…‥。ついていたシワもとれてパリっとキレイに。これはイイ!!!

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 それから思いついた時には洗ってアイロンをかけているのですが、先日また思い出してやってみました。やっぱり気持ちいい!!

 ついでにヨレヨレになっていた折りたたみ傘もお風呂場でザーっと洗って、アイロンをかけたらなんだか新品のようになりました。これもおすすめです!!

 熱を加えることで、はっ水加工に使われているフッ素が効果を取り戻すのだそうです。

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 アイロンをかけるときには、洗濯表示を見てアイロン可か確認してくださいね。温度や当て布など表示に従ってください。熱を加えればいいといっても、乾燥機はNG。

 そして、アイロンをかけるに気をつけたいのは、汚れていると汚れも定着させてしまうので、汚れがないか確認すること。

 それから、フッ素は油分も嫌いますので、ドライクリーニングはNG。手の脂もよくないそうなので、濡れたらタオルなどでやさしく水分をとりましょう。傘なども同じですが、使った後濡れたままにしておくとはっ水加工の効果が落ちてしまうので、ドライヤーでさっと乾かすだけで随分違うそうです。

 はっ水スプレーをかけるのもよいですが、アイロンで復活させる方法もおすすめです。

 たまにしか使わないものですが、お手入れしておくと気持ちよく使えるもの。衣替えの時期に、一度雨コートを見直してみませんか。

単衣の着物に「居敷当て」つける?つけない?の巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 気がつけば9月ももう終わり。秋晴れの日にそろそろ観念して浴衣や洗える夏物を洗ったり、お手入れに出したりして衣替えに備えています。自分で洗うときはもちろん、お手入れに出すときも、なるべくシミや汚れを事前にチェックしておくとよいですね。

 そんなとき、時々あっ!と思うのがおしりのあたりの背縫いの「被せ(きせ)」(縫い目よりすこし余裕をもって布を折ってある部分)が開いて、縫い目が広がっているものがあること。

 ピッタリ着付けて立ち座りが激しかったり、仕事や踊りなど動作が激しい場合はこの部分が広がってきやすく、酷いときは裂けてしまったりすることもあります。

 ちょっとキケンかも!と思うような状態のものを発見したら、それを防いでくれるのが「居敷当て」です。居敷当ては、後ろ身頃の下半身部分だけにつける当て布。これがあることで補強になり、おしり部分の表地に力が直にかからなくなり、縫い目の開きを防いでくれます。

 また、夏物や単衣では足が透けて見えたりするのを防ぐ効果も。また紬などの場合、足さばきもよくしてくます。

 ウールなどの普段着の場合は、よく30センチ〜40センチ四方くらいの共布でおしりの部分だけに居敷当てがつけてありますが、この場合は縫い目が表に出てしまうので、別布で後ろ身頃全体もしくは体の幅(共布=反物の幅)くらいにつけるものが多いです。

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 居敷当てをつけることのデメリットは、布が1枚増えるので暑い。別布でつけると洗濯の時に表地に収縮率が変わることがあり、お手入れに注意が必要。生地代、仕立て代がアップする、などがあります。あと、長襦袢を透けさせて楽しみたい着物などにはつけるとそこが透けなくなってしまいますのでNG。

 でも、この居敷宛があると安心して着られるのですよねー。それに、透けが防げるので、暑い時期にうそつき襟にステテコ1枚で着られちゃうので結果暑くない! なにも知らないときは「料金が高くなる」という理由でケチってつけなかったのを、後悔しています。
 
 基本仕立てる時につけるものですが、探せばお直しをしてくれるところもあるので、あとからつけてもらうこともできます。

 これからもし、次のシーズンの単衣や夏物のことを考える時は、居敷当てのことをちょっと思い出してくださいね(^^)。着物の素材によってふさわしい居敷当ての種類も変わりますので、お仕立ての時に相談してみてください。

 まだまだ日中暑いのでしばらく単衣は手放せそうにありませんが、朝晩は着物でおでかけによいかんじになってきました。秋の着物も楽しんでくださいね\(^O^)/

秋の妄想きのこコーデ☆竹久夢二ワールドの巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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 秋ですねー。葡萄に梨に栗に‥‥と食べ物から季節を感じる私ですが、着物も同じように季節の色を選びたくなってきます。

 今回の妄想コーデは、そんな食べ物とカラーのベストマッチ!(仮面ライダービルド)。赤紫の『夢二浪漫』きのこ、を選んでみました。

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 竹久夢二というと、儚げな美人画の印象が強いのですが、グラフィックデザイナーの先駆けでもあります。モダンな本の装丁や、千代紙などの文房具のカラフルで乙女チックなデザインは今見てもとっても素敵です。

 以前夢二浪漫シリーズのすずらんで妄想コーデをしたことがありますが、一度やってみたかったインパクト絶大二度見確実なきのこコーデ! やはりきのこといえば秋でしょう、ということでオータムカラーでまとめてみました。

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 帯は抜け感のあるデザインがモダンな千代紙のようにも見える染めの九寸名古屋帯。森の木々の葉っぱをきのこを帯締めと帯揚はこっくりとした葡萄色に、半衿はベロアで深い森をイメージ。難点は自分がまるまるしているので、夢二の美人画とはほど遠いところ(涙)。でもそこは妄想でカバー!(笑)。

 本当に秋に着てみたいコーデです。だって、コーディネート大会に応募して1位になると、そのコーディネートの着物がプレゼントされるという夢企画、第6回コーディネート大会開催中なんです! 投票した人にも商品あたりますよ。

 他の人のコーディネートを見るのもまた、勉強になります。「おっ!素敵!」と思ったコーデにぜひ1票を。そしてこの機会に、試着室で本気で欲しいコーディネートを投稿してみるのはいかがでしょうか? 

芸術の秋!GINZA SIXの観世能楽堂におでかけしたよ☆の巻~着物大好きコミックエッセイスト ほしわにこ連載コラム「オトナの着物生活」

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  今年4月にオープンしたGINZA SIX。その地下3階に能楽堂があるのを御存知ですか? 渋谷にあった観世能楽堂がそのまま移築され、スヌーピーコラボのグッズなどでも話題になっていましたね。
 恥ずかしながら、流行ものに弱いわたくしGINZA SIX自体はじめて。こんなことでもないとなかなか行けない!と、雨予報でしたが、張り切って着物でおでかけしましたよ。

 キモトモ(着物友達)に招待をいただいて大倉流祖先祭へ。豪華な出演者の皆様を間近で見られて眼福でした。途切れることなく一日中開催されていますが、昼間の数時間だけ番組を拝見してきました。

 友人達のお陰で、お供して足を運ぶうち、なんとなくわかるようになってきた能の世界。本を読んだり映像を観たりするのとは違い、やはり生の舞台は格別です。予習をしていくと、ああ、お話のこの部分、というのがわかって楽しいですし、ただただ目の前に繰り広げられる夢幻の世界に酔うもよし。謡を聞きながら睡魔と闘ったり負けたり(負けるんかい)するのも醍醐味です。

 伝統芸能の舞台は、衣裳的にも眼福。能衣装は言うまでもなく、黒紋付袴でずらりと並ぶ囃子方や地謡の皆様かっこいい! 皆様所作が伴っているので、本当に着姿が素敵なのですよね。友人の初舞台もあったのですが、その中に女性がキリリと色無地で紅一点というのも、本当にりりしく美しかったー。

 男性の袴には馬乗り(ズボン型)、行灯(スカート型)がありますが、能楽では「仕舞袴」という馬乗り型の進化形の袴を着用される方が多いとのこと。動きやすい構造で、立ったり座ったりしてもシワなどができにくいのだとか。仕舞は行灯の方もいましたが、囃子方や地謡、後見の方はほとんど仕舞袴だったのかなー。地謡の右から2番目の人かっこいい!とか(鑑賞目的がずれている気も‥‥(^^;))。短い時間でしたが堪能して参りました。

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 自分もまた、伝統芸能仕様の着物でお洒落をして観に行くのも楽しみのひとつ。別に決まりがあるわけではありませんが、演目にあわせたり、季節をたのしんだり。私は、観能にいくときは色無地や江戸小紋などで行くようにしています。遊びは帯や帯留などで。でも、コダワリはさりげなーくもしくは自分だけしかわからない、みたいなのが理想です。歌舞伎ともまた違う楽しさ面白さ。きっと皆様にもいろいろなコダワリがおありなのではないでしょうか。

 この日は蒸し暑かったのですが、秋を意識したコーデで。むじな菊の江戸小紋に萩の刺繍帯。マダム仕様(笑)の真珠の帯留と指輪。帯揚を濃い紫で締めてみました。雨だったので草履が色の濃いカレンブロッソだったのがちょいと自分的には残念でしたが、鏡板の松色ってことで。

 あと、あまりの暑さに髪を切ってしまったのですが、やっぱり着物のときはアップヘアが気分が上がりますね〜。また伸ばそうと改めて思いました。

 その後ランチやお茶で、同行の友人と演目について話すのもまたこれ楽しい! イケメン探しをしているのは私だけではない(笑)というのもわかりました。それぞれのツボの話を聞いて、そんな見方もあるのかとか、いろんな情報交換をしているうちにあっと言う間に時間が経って。能や芝居見物は、昔は1日がかりの贅沢な娯楽。現実を離れて贅沢な時間を過ごすのは、リフレッシュになりますね。銀座という場所もまた、華やかな気分になりました。

 日々の慌ただしさに紛れて、こんな時間を忘れていた私です。これからは暑さもやわらいで、着物を楽しめる季節がやってきますね。芸術の秋でもあります。着物で鑑賞するのにピッタリな伝統芸能、能楽に興味があったらチェックしているといろいろな催しもありますよ。

 私が能の世界を最初に覗いたのは、「能への誘い」というイベントでした。今年は川崎で開催されます。

 能ってよくわからない、という方もまずは入門編からえいっと覗いてみるのもよし、詳しい友人に連れて行ってもらうもよし。探してみると、意外と能っていろんなところで上演されています。アンテナにひっかかったらぜひチェックしてみてくださいね!

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観世能楽堂入口にて。松羽目物気取りで(笑)

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